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暖房と乾燥がつくる冬の落とし穴|透析中に気をつけたい体調変化とセルフケア

暖房と乾燥がつくる冬の落とし穴|透析中に気をつけたい体調変化とセルフケア

寒い季節になると、透析患者さんの体にはいくつかの“冬特有の変化”が起こります。気温の低下や空気の乾燥により、血圧の乱れや皮膚トラブル、感染リスクが高まることも。ここでは、冬を安心して過ごすための体調管理とセルフケアのポイントを紹介します。

冬に体調を崩しやすい理由とそのサイン

寒さによって血管が収縮し、血圧が上がりやすくなるほか、暖房での乾燥や運動不足も重なり、体調が不安定になりがちです。透析中の体は環境の影響を受けやすいため、小さな変化を見逃さないことが大切です。

冬に起こりやすい体調変化 主な原因 気をつけたいサイン
血圧の上昇 寒冷刺激・塩分摂取増加 頭痛・肩こり
皮膚の乾燥 暖房による湿度低下 かゆみ・ひび割れ
感染リスク増加 乾燥・免疫低下 咳・喉の痛み
むくみ悪化 水分摂取過多 靴下跡・手のこわばり
睡眠の質低下 寒さ・血流低下 倦怠感・集中力低下

乾燥対策と皮膚ケアの基本

乾燥によるかゆみや傷は、放置すると感染の入り口になることもあります。透析中の方は皮膚の再生が遅くなる傾向があるため、日常的な保湿と清潔管理が重要です。お風呂あがりの3分以内の保湿が、最も効果的です。

冬の皮膚ケアチェックリスト

保湿剤は朝晩の2回を基本に、かゆみが出たら追加する

低刺激の石けんを使用し、こすらず洗う

熱いお湯での入浴を避け、38〜40℃程度にする

湿度40〜60%を目安に加湿器を活用する

透析針周囲は医師の指示に従ってケアする

寒さ対策と血圧コントロール

冷えによる血圧の変動は、透析中に体への負担をかけることがあります。急激な温度変化を避け、体を温めながら安定した循環を保つことが大切です。

シーン 注意点 推奨の工夫
起床時 血圧が上がりやすい時間帯 目覚め後すぐ立ち上がらず、布団の中で軽く手足を動かす
入浴時 ヒートショック防止 浴室と脱衣所を暖め、入浴は食後1時間以降に
通院・外出時 寒風による冷え マフラー・帽子で首・頭部を保温
室内 暖房の温度差 エアコンと加湿を併用、急な設定変更を避ける

注意:透析前後で血圧が大きく変動する場合は、家庭測定記録を持参しスタッフへ相談を。

食事と水分のとり方で守る冬の体調

寒さで運動量が減ると、塩分や水分のバランスが崩れやすくなります。特に鍋料理やスープ類は塩分が多くなりがちです。ポイントとしては味付けを「出汁や香辛料」で調整し、塩分量を減らすことがコツです。

冬におすすめの食事バランス表

食材カテゴリー 選び方のコツ 摂取のポイント
たんぱく質 鶏むね肉・白身魚・豆腐など脂質が少ないもの 適量を毎食取り入れ、筋力維持を意識
野菜 根菜・葉物を中心に温野菜で摂取 食物繊維で便通改善・塩分排出を促す
主食 ごはんを基本に、食べ過ぎを避ける エネルギー源を安定させる
水分 温かいお茶やスープを少量ずつ 飲みすぎを防ぎながら体を温める

冬場に増える感染症と受診の目安

乾燥した空気は、ウイルスが長く漂いやすく感染リスクを高めます。透析施設での感染対策は徹底されていますが、家庭でも意識することで安心感が高まります。

冬の感染予防リスト

  • 外出後は手洗い・うがいを必ず行う
  • マスクは鼻と口をしっかり覆う
  • 睡眠不足を防ぎ免疫力を保つ
  • 室内の湿度を50%前後に保つ
  • 家族が体調不良の際は距離を取り、医療チームに相談する

注意:発熱・息苦しさ・強い倦怠感がある場合は、透析施設や主治医に早めに連絡を。自己判断で薬を飲むことは避けましょう。

まとめ

冬の透析生活では、冷え・乾燥・感染の三つが体調変化の主な要因となります。環境を整え、こまめな観察とケアを続けることで、体の安定を保つことができます。無理をせず、気になる変化があれば早めに医療チームへ相談し、安心して冬を過ごしましょう。

よくある質問(FAQ)

  • 暖房を使うと肌がかゆくなるのはなぜ?

    暖房で空気が乾燥し、皮膚の水分が失われるためです。加湿器や保湿剤で湿度を保つことが効果的です。

  • 透析中に体が冷えるとどうなる?

    血流が悪くなり、血圧低下や倦怠感を起こすことがあります。ブランケットなどで保温を。

  • 風邪を引いたときは透析を休んでもいい?

    自己判断での休止は避けましょう。必ず施設に連絡し、指示を仰いでください。

  • 手荒れやひび割れのケアはどうすれば?

    低刺激の保湿クリームを使用し、就寝時は手袋を着けると効果的です。

  • 水分を控えると喉が痛くなることがある?

    乾燥による炎症の可能性があります。うがい・加湿・少量の水分摂取で緩和できます。

  • 家族に感染症が出たときどうすべき?

    マスクと手洗いを徹底し、可能であれば寝室を分けましょう。体調に変化があれば早めに報告を。

  • 寒い朝に血圧が高いのは問題?

    血管が収縮しやすい時間帯のため、一時的な上昇は自然です。ただし連日続く場合は医師へ相談を。

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