2025.11.24 知識透析
透析クリニックとの上手なつきあい方|診察・相談・コミュニケーションのコツ

透析生活では、医師や看護師、スタッフとの関わり方が体調の安定を左右します。何を伝え、どのように相談すればよいのか──“上手なつきあい方”を知ることが、安心して治療を続ける第一歩です。
医療チームと連携する意味
透析は、医師だけでなく多職種が協力して支える治療です。体調や生活の小さな変化を共有することで、合併症の早期発見にもつながります。些細な不調も「次の透析で相談しよう」とメモしておくとスムーズです。
| 職種 | 主な役割 | 相談できる内容 |
|---|---|---|
| 医師 | 治療計画・薬の調整 | 血圧変化、症状、薬の副作用 |
| 看護師 | 日常ケア・体調管理 | 体重増減、シャントの異常、かゆみ |
| 臨床工学技士 | 透析装置・血液管理 | 透析中の違和感、針刺し痛 |
| 栄養士 | 食事指導 | 塩分・たんぱく質・水分バランス |
| ソーシャルワーカー | 生活相談 | 通院、介護、費用のこと |
相談をしやすくする伝え方
話しにくい内容も、具体的に伝えると共有がスムーズになります。
相談時の伝え方3ステップ
いつから・どんなときに症状が出るかを明確にする
どの程度困っているか(生活への影響)を伝える
どんな対応を試したかを伝える
「何がつらいか」ではなく「どう困っているか」を中心に話すと伝わりやすいです。
通院日をより有意義にする工夫
透析日は1回あたりの時間が長く、医療スタッフとの接点も多い日です。
| 準備項目 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 体調メモ | 倦怠感・食欲・睡眠などをメモ | 状態変化を把握しやすい |
| 薬・サプリ確認 | 飲み合わせをチェック | 副作用予防 |
| 質問リスト | 気になることを箇条書き | 短時間でも要点を伝えられる |
| 記録アプリ | 血圧・体重を記録 | 傾向を共有できる |
h2 気をつけたいコミュニケーションの落とし穴
スタッフへの遠慮や、「忙しそうだから言いづらい」と感じる場面もあります。しかし相談をためらうと、小さな問題が大きくなることも。聞きづらい話題ほど、最初に伝えるのが安全です。
よくある落とし穴リスト
「次に言おう」と先延ばしにする
症状を自己判断で隠す
SNSや他人の体験談で判断する
不安を家族だけで抱え込む
困ったときの相談ルート
相談しづらいときは、無理に医師だけに伝えようとせず、看護師やソーシャルワーカーに話しても構いません。
| 状況 | 相談先 | 目安 |
|---|---|---|
| 体調・症状の変化 | 医師・看護師 | 透析時・電話で相談 |
| 食事・体重管理 | 栄養士 | 定期面談または透析後 |
| 費用・介護・通院支援 | ソーシャルワーカー | 必要時に随時 |
| 感情面の不安 | 看護師・家族 | 言葉にして共有を |
まとめ
透析は“チーム医療”です。どんな小さな変化も共有し、信頼関係を築くことが、安心して治療を続けるための基盤になります。気になることは我慢せず、早めに医療チームへ相談しましょう。
よくある質問(FAQ)
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医師に聞きづらいことはどう伝えれば?
看護師経由で相談しても大丈夫です。必要に応じて医師に共有されます。
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透析中に眠れないときは相談していい?
はい。薬の影響や透析条件が関係している場合もあるため、早めに話しましょう。
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小さな体重変化も報告すべき?
2kg以内でも続くようなら相談を。心臓や水分バランスの変化を早期発見できます。
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担当を変えたいときは?
施設に正直に相談して構いません。信頼関係を築けることが最優先です。
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栄養士の話を毎回聞く必要はある?
食事内容は季節や体調で変わるため、定期的な相談が効果的です。
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通院に家族が付き添うべき?
必要に応じてで構いませんが、説明を共有しておくと安心です。
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スタッフへの感謝を伝えるのは迷惑?
まったく問題ありません。感謝の言葉は良い関係づくりにつながります。
