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かゆみ・乾燥肌と透析治療|眠れないほどのかゆみを軽くするために

かゆみ・乾燥肌と透析治療|眠れないほどのかゆみを軽くするために

透析を続けている方の中には、「特に冬〜春にかけて、全身のかゆみや乾燥がつらい」「眠れないほどかゆいのに、どうしたらいいか分からない」と感じている方も少なくありません。かゆみは“気のせい”ではなく、皮膚の乾燥や汗・皮脂の変化、リン・尿素などの体内バランス、服薬や生活環境など、いくつかの要素が重なって起こると考えられています。完全にゼロにすることはむずかしくても、保湿・生活習慣・薬の調整などを組み合わせることで、「前よりラクになった」と感じられることは十分めざせます。

このコラムでは、透析治療と関係の深い「かゆみ・乾燥肌」の基本的な考え方と、今日から見直せるポイントを整理してお伝えします。実際の対応は、お一人おひとりの状態によって変わりますので、必ず主治医や看護師と相談しながら進めてください。

なぜ透析中はかゆみが出やすいのか

透析中にかゆみが出やすくなる理由はいくつかあります。まず、腎臓の働きが弱くなると体の中に老廃物がたまりやすくなり、皮膚のバリア機能にも影響が出ると考えられています。

また、リンやカルシウムのバランスが乱れている場合や、二次性副甲状腺機能亢進症といわれる状態がある場合など、体の中の環境がかゆみに関わることもあります。さらに、透析中は水分制限や血行の変化により、皮膚が乾燥しやすく、ちょっとした刺激でもかゆみを感じやすくなります。服薬や糖尿病、年齢による皮膚の変化が重なると、同じ環境でもかゆみの感じ方に個人差が出るのが特徴です。「自分だけが弱いわけではない」と知っておくだけでも、少し気持ちがラクになるかもしれません。

生活の中で見直したい「かゆみを悪化させるクセ」

かゆみの原因がすべて透析だけということは少なく、日常のちょっとした習慣が、かゆみを強くしていることもあります。「ついやってしまいがち」な行動を、一度整理してみましょう。

かゆみを悪化させやすい場面と、今日からできる工夫

よくある場面・クセ かゆみを悪化させる要因の例 今日からできる工夫の例
よくある場面・クセ かゆみを悪化させる要因の例 今日からできる工夫の例
熱いお風呂が好きで、長時間つかる 皮膚の油分まで洗い流され、乾燥が進みやすい ぬるめのお湯で短時間にする/シャワー中心の日を作る
ゴシゴシこする・ナイロンタオルを使う こすり過ぎで皮膚のバリア機能が傷つく やわらかいタオルで“なで洗い”/手のひら洗いを試してみる
かゆいところを我慢できず、つい強くかいてしまう 皮膚に細かい傷がついて炎症や感染のきっかけになる かくかわりに、軽く押さえる・冷やすなどの方法を準備しておく
暖房の風に直接あたって過ごす 室内が乾燥し、皮膚の水分が奪われやすい 加湿器や洗濯物の部屋干しで湿度を補う/風が直接あたらない位置に移動
化繊の下着やタグが肌にこすれる 摩擦が刺激になり、部分的なかゆみを起こす 綿素材のインナーを選ぶ/タグが当たる部分はカットする・カバーする

すべてを一度に変えようとせず、「これは心当たりがあるかも」と感じるところから、1〜2個ずつ見直してみることが現実的です。

保湿とスキンケアのポイント

かゆみ対策の基本は、「乾燥させすぎないこと」です。入浴やシャワーのあと、タオルで軽く水気を押さえたタイミングは、皮膚に水分が残っており、保湿剤をなじませやすい“ゴールデンタイム”です。

病院から処方されている保湿剤や、市販の低刺激タイプのクリーム・ローションを、かゆみや乾燥が気になる部分に広めに塗っていきましょう。こすり込むのではなく、手のひらで包み込むように伸ばすと、皮膚への負担が少なくなります。粉をふきやすいすねや腰、背中は、自分で届きにくい場所でもあるため、家族に手伝ってもらう、スプレータイプを活用するなどの工夫も役立ちます。

どの保湿剤が合うかは人それぞれなので、「ベタつきが苦手」「塗ったあとしみる」といった感覚も遠慮なくスタッフに伝え、合うタイプを一緒に探していきましょう。

かゆみが強いときに相談してほしいこと

生活の工夫だけでは追いつかない、強いかゆみが続くこともあります。特に、夜眠れないほどのかゆみや、かきこわして血がにじむような状態は、「仕方ない」で我慢せず、早めに相談していただきたいサインです。

透析施設では、血液検査の結果なども踏まえて、リンやカルシウムの管理、保湿剤やかゆみ止めの外用薬の調整、内服薬の検討などを行うことがあります。また、皮膚そのものの病気が隠れている場合には、皮膚科との連携が必要になることもあります。「どんなときに・どの場所が・どのくらいかゆいか」をメモしておくと、診察の際に状況を伝えやすくなります。

まとめ:かゆみは『我慢するもの』ではなく『一緒に対策するもの』

かゆみや乾燥肌は、見た目だけの問題ではなく、睡眠・日中の活動・気分にも大きく影響する症状です。「命に関わらないから」「どこに相談していいか分からないから」と一人で抱え込まず、生活の工夫と医療のサポートを組み合わせて、少しでもラクになる方法を一緒に探していきましょう。

当クリニックでは、透析中のかゆみや乾燥肌のお悩みについても、ご相談をお受けしています。「このくらいのかゆみでも相談していいのかな」と感じる段階で構いませんので、透析中や外来の際に、どうぞ遠慮なく医師・看護師にお声がけください。一人ひとりの肌の状態や生活スタイルに合わせて、無理のないケア方法を一緒に考えていきましょう。

よくある質問(FAQ)

  • 透析をしていると、かゆみはどうしても出てしまうものですか?

    かゆみを感じる方は多いですが、生活の工夫や薬の調整で軽くできる場合もあります。完全にゼロを目指すより、「前よりラク」を目標に医療者と相談しましょう。

  • かゆいところをかくのは、やはり良くないですか?

    強くかくと皮膚に傷がつき、炎症や感染のきっかけになります。できるだけ保冷材や保湿でしのぎ、どうしてもつらいときは早めに相談してください。

  • 市販の保湿剤を自分で選んでも大丈夫でしょうか?

    基本的には低刺激の保湿剤なら使えることが多いですが、合う・合わないには個人差があります。新しく使う前に、主治医や看護師に一度相談すると安心です。

  • お風呂は毎日入らないほうが、乾燥しにくいですか?

    清潔を保つことも大切なので、ぬるめのお湯・短時間・保湿をセットにすれば毎日の入浴も可能な方が多いです。肌の状態に合わせて調整しましょう。

  • 食事や透析の内容で、かゆみが変わることはありますか?

    リンの管理や透析の状態がかゆみに関係する場合もあります。検査値やかゆみの強さを主治医に伝え、必要な調整がないか相談してみてください。

  • 皮膚科にはいつ受診したらよいでしょうか?

    保湿や生活の工夫をしてもかゆみが続く、湿疹やジュクジュクした傷が出てきた場合は、早めの受診がおすすめです。まず透析施設で相談し、紹介先を一緒に決めていきましょう。

  • 夜のかゆみで眠れないとき、どうしたらいいですか?

    寝る前に保湿をしっかり行う、寝室を乾燥させすぎないなどの工夫が役立つことがあります。それでも続く場合は、睡眠への影響も含めて医師に相談してください。

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