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透析の検査値、どこを見ればいい?|カリウム・リン・体重の数字との付き合い方

透析の検査値、どこを見ればいい?|カリウム・リン・体重の数字との付き合い方

透析を続けていると、「今日はカリウムが高いですね」「リンが少し気になります」と言われることがあります。でも、検査用紙に並ぶ数字を見ても、「結局どれが大事なの?」「悪いと言われたら、何を変えればいいの?」と戸惑う方は少なくありません。

このコラムでは、40〜80代の透析患者さんとご家族に向けて、毎回の検査でまず意識したい数字と、その数字をどう受け止めればよいかをやさしく整理します。内容は一般的な情報のため、実際の目標値や対応は必ず主治医・透析スタッフ・管理栄養士の指示を優先してください。

検査値は「1回の点数」より「流れ」で見ることが大切

透析では、血液検査や体重、血圧などを定期的に確認しながら、体の状態を見ています。大切なのは、1回の結果だけで一喜一憂することではなく、「前回より上がったのか」「数か月続けて高いのか」「体調の変化とつながっているのか」を一緒に見ることです。

たとえばカリウムやリンは、食事内容、薬の飲み方、透析の受け方、体調不良の影響などでも動きます。体重の増え方も、水分だけでなく塩分のとり方や食欲低下、生活リズムの乱れが関係することがあります。だからこそ、数字だけを見て自己判断で極端に食事を減らしたり、薬を勝手にやめたりしないことが重要です。

まず見る項目 主にわかること 気をつけたいこと
カリウム 心臓や筋肉に関わる電解質のバランス 高すぎると不整脈の原因になることがある
リン 骨や血管に関わるミネラル管理 高い状態が続くと骨・血管への負担になる
体重増加・ドライウェイト 水分・塩分バランスの目安 増えすぎはむくみ・息苦しさ・血圧上昇につながる
アルブミン 栄養状態や全身状態の目安 低いときは食事量や炎症などを総合的に確認する

まず押さえたい4つの数字

カリウムは「高すぎない」が最優先

カリウムは体に必要な栄養素ですが、高くなりすぎると心臓のリズムに影響し、不整脈につながることがあります。果物や野菜だけでなく、ジュース、健康飲料、芋類、加工食品などからも思った以上に入ることがあるため、「体にいい食べ物だから多めに食べても大丈夫」とは限りません。

ただし、カリウムが気になるからといって、自己判断で野菜をほとんど食べなくなるのも問題です。食べ方や量、下ごしらえの工夫で調整できることもあるため、結果が気になるときは管理栄養士に具体的な食事内容を見てもらうのが近道です。

リンは「添加物」も意識すると変わりやすい

リンは骨に必要な成分ですが、高い状態が続くと骨がもろくなったり、血管や体の組織に負担がかかったりします。透析中は体から抜けにくいため、食事だけでなく、加工食品やスナック、練り製品、インスタント食品などに含まれる添加物由来のリンにも注意が必要です。

また、リン吸着薬を処方されている方は、「出されたから飲む」のではなく、「食事のタイミングに合っているか」「飲み忘れが続いていないか」を確認することが大切です。数字が下がらないときは、食事内容だけでなく薬の使い方も一緒に見直していきましょう。

体重の増え方は水分と塩分のヒントになる

透析と透析の間の体重増加は、水分管理の大切な目安です。増えすぎると、透析で一度に多く水を引く必要があり、血圧低下、足のつり、透析後の強いだるさにつながることがあります。反対に、最近体重が増えない場合でも、単純に「優秀」とは言い切れず、食欲低下や栄養不足が隠れていることもあります。

大切なのは、毎回の増え方を安定させることです。のどの渇きだけで水分を考えるのではなく、塩分が強い食事が続いていないか、スープや汁物が多くなっていないかも合わせて振り返ると、対策の方向が見えやすくなります。

アルブミンは「しっかり食べられているか」の手がかり

アルブミンは、栄養状態や全身状態をみるときの参考になる項目です。低いときは、食事量の不足だけでなく、炎症や体調不良、食べたくても食べられない背景がある場合もあります。そのため、「低いからとにかく食べればいい」と単純に考えるのではなく、最近の食欲、歯や口の状態、胃腸症状、疲れやすさなども一緒に確認することが大切です。

数字が動いたときに、患者さんが振り返りたいポイント

検査値が気になったときは、結果だけを見て終わらせず、「最近の生活」とセットで考えると原因が見えやすくなります。

振り返る項目 確認したいこと 相談先の例
食事 外食・加工食品・間食・汁物が増えていないか 管理栄養士
飲み忘れ、飲むタイミングのずれがないか 主治医・薬剤師
透析の受け方 透析時間の短縮や中断がなかったか 透析スタッフ
体調 発熱、下痢、食欲低下、むくみ、息苦しさがないか 主治医・看護師

「1回だけ高い」と「続けて高い」は分けて考える

前日の食事や一時的な体調で動く数字もあります。一方で、同じ項目が何度も続けて高い、あるいは少しずつ悪化しているときは、生活や治療の見直しが必要なサインかもしれません。結果をもらったら、前回や前々回と比べてどうかを見てみましょう。

自己流の調整より「何が原因か」を一緒に探す

数字が気になると、食べる量を急に減らしたり、逆に水分を控えすぎたりしたくなることがあります。しかし、透析中は「減らしすぎ」で別の問題が起こることもあります。特に食欲低下や体重減少があるときは、数字を下げることだけでなく、体力を保つ視点も欠かせません。

こんなときは早めに相談しましょう

検査値と一緒に症状が出ているときは、様子見よりも相談が優先です。

  • 動悸、しびれ、強いだるさ、筋力低下がある
  • むくみ、息苦しさ、血圧の上がり下がりが気になる
  • 食欲が落ちて体重が減ってきた
  • リン吸着薬やほかの薬の飲み方が続けにくい
  • 検査用紙を見ても、何を改善すべきか分からない

当クリニックでも、検査結果の見方や食事・薬の調整について、主治医、看護師、管理栄養士と連携しながらご相談をお受けしています。「この数字はどのくらい気にしたらいいの?」「毎回同じことを言われるけれど改善のコツが分からない」と感じている方は、透析中や外来の際にどうぞ遠慮なくご相談ください。一人ひとりの生活に合わせて、無理のない整え方を一緒に考えていきましょう。

よくある質問(FAQ)

  • 検査値が1回だけ悪かった場合でも、すぐに危険ですか?

    1回の結果だけで判断しきれないこともありますが、項目によっては注意が必要です。特に症状がある場合や、カリウムなど安全面に関わる値は、自己判断せず主治医の説明を確認してください。

  • カリウムが高いと言われたら、野菜や果物は全部やめたほうがいいですか?

    極端にやめる必要はありません。食材の選び方や量、下ごしらえで調整できることも多いため、まずは食べ方を管理栄養士と一緒に見直しましょう。

  • リンだけなかなか下がらないのはなぜですか?

    加工食品や添加物、間食、薬の飲むタイミングなどが影響していることがあります。食事内容だけでなく、リン吸着薬の使い方も一緒に確認することが大切です。

  • 体重があまり増えていなければ安心と考えてよいですか?

    必ずしもそうとは限りません。食欲低下や栄養不足で増えていない場合もあるため、最近の食事量や体調も含めて見ていく必要があります。

  • アルブミンが低いときは、とにかくたくさん食べればいいですか?

    低下の背景は食事不足だけとは限りません。食欲、口の状態、体調、炎症などを含めて評価する必要があるため、主治医や管理栄養士に相談しながら進めましょう。

  • 検査結果のことは、透析中に質問しても大丈夫ですか?

    もちろん大丈夫です。分からないまま我慢せず、「この数字は何を見ればよいですか?」と具体的に聞くと、必要な説明を受けやすくなります。

  • 家族も検査値を知っておいたほうがいいのでしょうか?

    食事や通院の支えがあるご家庭では、家族が大まかな意味を知っていると協力しやすくなります。必要に応じて、一緒に説明を聞くのもおすすめです。

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