2025.10.28 透析
「透析患者さんが冬に気をつけたい感染症対策と体調管理

空気が乾燥する冬は、風邪やインフルエンザなどの感染症が広がりやすい季節です。透析を受けている方は免疫が低下しやすく、体調の変化が重症化につながることもあります。
この記事では、冬の感染症対策と体を守るための生活のコツを紹介します。
透析患者さんが感染症に注意すべき理由
透析治療は血液を体外に循環させるため、感染症のリスクが高くなります。体力や免疫力が落ちていると、風邪や肺炎が長引くこともあります。
通院による人との接触や血管アクセス部位からの感染にも注意が必要です。小さな体調変化を早めに察知することが大切です。
- 体力や免疫の低下により、風邪や肺炎が長引きやすい
- 通院・血管アクセス部位などで感染リスクがある
- 発熱が透析スケジュールに影響することも
「少しの予防」が重症化の防止につながります。
冬に多い感染症と特徴
冬は複数の感染症が同時に流行します。それぞれの特徴と予防のポイントを理解しておきましょう。
| 感染症 | 主な症状 | 予防ポイント |
|---|---|---|
| インフルエンザ | 発熱・筋肉痛・倦怠感 | ワクチン接種・うがい・手洗い |
| ノロウイルス | 下痢・嘔吐・発熱 | 1食事衛生・加熱調理 |
| 新型コロナ | 発熱・喉の痛み・咳 | マスク・換気・密回避 |
| 肺炎球菌感染症 | 咳・息切れ・発熱 | 定期接種・早めの受診 |
日常でできる感染予防の習慣
感染を防ぐ基本は、毎日の小さな行動を積み重ねることです。外出から戻ったら必ず手洗いとうがいを行いましょう。マスクは汚れたら交換し、清潔を保ちます。睡眠を十分にとり、食事で栄養をしっかり摂ることも免疫維持につながります。暖房で空気が乾燥しやすい冬は、加湿器を活用して湿度を保つと喉の防御力が高まります。
透析時・通院時に注意したいこと
透析クリニックへの通院は避けられないため、通院時の感染対策を丁寧に行いましょう。発熱や咳などの症状がある場合は、来院前に必ず連絡を入れ、指示を仰ぎます。来院時はマスクを着用し、受付や入室時の手指消毒を徹底します。
また、通院バッグや衣類の除菌も忘れずに。透析中の体温変化や倦怠感を感じたら、すぐにスタッフへ伝えるようにしましょう。
冬を快適に過ごすための体調管理
冬の健康を保つためには、感染対策だけでなく生活リズムの安定が欠かせません。室温は18〜22℃、湿度は50〜60%を目安に保ちましょう。
暖かい飲み物を少量ずつ摂ることで体を内側から温められます。栄養バランスを整え、軽い運動で血流を保つことも大切です。
「寒いから動かない」よりも、「できる範囲で体をほぐす」を意識すると体調維持につながります。
よくある質問(FAQ)
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インフルエンザワクチンは透析患者でも接種できますか?
はい、可能です。接種時期や体調は医師に相談のうえで行いましょう。
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感染が疑われる場合、透析はどうすれば?
まずは医療機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。無理な通院は避けてください。
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通院時にマスクを外すのは問題ありますか?
会話時や透析中でも、スタッフ指示がない限り着用が望ましいです。
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乾燥で喉が痛いときはどうすれば?
加湿器の利用・うがい・のど飴などで保湿しましょう。
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栄養で免疫を高めるには?
タンパク質・ビタミンB群・Cなどをバランスよく取ることが大切です。
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感染が不安で外出を控えるべき?
無理に外出しなくても、室内での軽運動や日光浴が有効です。
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手洗いの回数はどのくらい?
外出後・透析後・食事前後の最低3回を意識しましょう。
