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透析患者の便秘|水分制限があるときの原因と相談ポイント

透析患者の便秘|水分制限があるときの原因と相談ポイント

透析中に便秘が続くと、「水分を増やせないから仕方がない」「便秘薬を増やしてよいのか」と迷うことがあります。便通には、水分だけでなく、食事量、食物繊維、活動量、便意を我慢する習慣、薬、糖尿病など複数の要因が関わります。この記事では、水分制限を自己調整せずに原因を整理し、相談へつなげる方法をまとめます。

透析中の便秘は、水分だけでなく生活全体から原因を探します

確認する視点便秘につながる例相談時に伝えること
食事食事量が減った、主食や野菜が極端に少ない一日の食事量と最近の変化
活動歩く時間が減った、透析後に横になる時間が増えた活動量と便意を感じる時間帯
リン吸着薬、鉄剤、鎮痛薬などの変更開始時期、増減、便通の変化
体調糖尿病、食欲低下、腹部症状腹痛、吐き気、体重変化

食べる量が減れば、便の材料も減ります

食欲が落ちて食事量が少ないと、便の量も減り、排便間隔が長くなることがあります。「野菜を増やせばよい」と単純には決められません。透析中はカリウムやリンの検査値、残っている尿量、栄養状態を見ながら食品を選ぶ必要があるためです。


活動量と排便のタイミングも確認します

透析日を中心に活動量が落ちたり、朝の予定が変わって便意を逃したりすると、便通のリズムが崩れることがあります。無理な運動を始めるのではなく、歩く時間、食後に座る時間、トイレへ行ける環境を見直します。


新しく始めた薬や増えた薬も手がかりです

便秘は薬の影響で起こることがあります。薬を自己判断で止めるのではなく、便秘が始まった時期と薬の変更時期を照らし合わせ、お薬手帳と一緒に相談してください。市販の便秘薬や健康食品を使っている場合も成分を共有しましょう。


水分制限、食物繊維、便秘薬は一つずつ個別に考えます

水分を増やせば便がやわらかくなる場合はありますが、透析中の飲水量は体重増加、むくみ、血圧、尿量、心臓の状態と関係します。便秘だけを理由に飲水量を増やすと、透析間の体重増加や呼吸の負担につながることがあるため、主治医や看護師へ確認してください。

自己調整を避けたいこと

  • 便秘を理由に水分量を大きく増やす
  • カリウムやリンを確認せず食品やサプリを増やす
  • 便秘薬をまとめて追加する、処方薬を中止する
  • 腹痛や血便があるのに便秘だけと決めつける

食物繊維は「多ければよい」ではなく食品全体で選びます

食物繊維を含む食品でも、カリウム、リン、塩分、水分量は異なります。検査値に問題がないか、下処理が必要か、食事量が足りているかを含めて相談します。食事制限を増やしすぎると、かえって食事量が落ちることがあります。


便秘薬は作用の違いと腎機能を踏まえて選びます

便をやわらかくする薬、腸を刺激する薬、腸内の水分を調整する薬など、便秘薬には複数の種類があります。腎機能や電解質への影響を確認したほうがよい成分もあるため、家族の薬を借りたり、市販薬を長く続けたりせず、医師・薬剤師へ相談してください。

日本消化管学会の便通異常症診療ガイドラインは慢性便秘症の診断と治療を整理した一般的な指針です。ただし透析患者さんの水分・食事・薬の調整には透析条件が関わるため、そのまま自己管理の数値へ置き換えることはできません。

参考:日本消化管学会「便通異常症診療ガイドライン2023」日本透析医学会「慢性透析患者の食事療法基準」


便通記録は、回数より「普段との違い」を残します

便の状態を短く記録する

排便した日、硬さ、強くいきんだか、残便感があるかを記録します。細かな日記ではなく、普段と違う日だけでも役立ちます。

生活と薬の変化を重ねる

食事量、歩く時間、透析後の過ごし方、新しく始めた薬を同じ期間で振り返ります。

困っていることを一つ伝える

腹部の張り、トイレに時間がかかる、便秘薬が効きすぎるなど、生活で最も困ることから主治医や看護師へ伝えます。

排便は毎日でなければ異常というわけではありません。以前より回数が減った、硬くてつらい、強くいきむ、腹部の張りが続くなど、本人にとって困る変化を基準に相談します。シャント側の腕に力を入れ続けるのが気になる方も、我慢せず共有してください。

便意を感じても透析や移動の都合で我慢する日が続く場合は、排便しやすい時間を医療者と一緒に探します。朝食後や帰宅後など、落ち着いてトイレに入れる時間を作り、強くいきみ続けないことも大切です。便秘薬を使った日は、効き始めるまでの時間と便がゆるくなりすぎなかったかも記録すると、量や種類の相談に役立ちます。

ご家族が便通を管理している場合も、回数だけで責めたり急かしたりせず、食事量や腹部症状を一緒に確認してください。本人が話しにくいときは、短いメモを透析日に持参すると相談しやすくなります。


強い腹痛や嘔吐、血便があるときは早めに受診してください

突然の強い腹痛、繰り返す嘔吐、お腹が大きく張ってガスも出ない、血便、発熱、意識がぼんやりする場合は、便秘薬を追加して様子を見ず、すぐに医療機関を受診してください。腸閉塞や消化管出血など、便秘以外の病気を確認する必要があります。

強い症状がなくても、便秘が続いて食事をとれない、透析中に腹部の張りがつらい、便秘薬の効き方が不安定になった場合は相談のタイミングです。当院では便秘を一般内科の診療対象としており、透析中の方は治療時に主治医や看護師へ伝えられます。

便秘を我慢せず、透析条件と一緒に相談できます

水分、食事、活動、薬を一度に変える必要はありません。当院では便通の変化と透析間体重増加、検査値、服薬状況を一緒に確認します。外来相談は前日までの電話予約制です。電話は03-5615-1566、予約方法はご予約・お問い合わせをご確認ください。


よくある質問

  • 便秘なので水分を増やしてよいですか?

    自己判断で増やさず、透析間体重増加、尿量、むくみ、血圧を踏まえて主治医や看護師へ確認してください。

  • 野菜を増やせば便秘は改善しますか?

    食物繊維は役立つ場合がありますが、カリウムや食事量とのバランスが必要です。検査値に合わせて相談しましょう。

  • 市販の便秘薬を使ってもよいですか?

    腎機能や電解質への影響を確認したほうがよい成分があります。医師や薬剤師へ相談してください。

  • 毎日排便がないと便秘ですか?

    回数だけでなく、硬さ、いきみ、残便感、腹部の張りなど本人の困りごとを合わせて判断します。

  • どの症状なら受診を急ぐべきですか?

    強い腹痛、嘔吐、血便、ガスも出ない強い張り、発熱などがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

※本記事は、当院で透析中によく確認する体調変化の目安を整理したものです。症状がある場合は自己判断せず、主治医または医療機関にご相談ください。

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