• 03-5615-1566
  • [ご予約]透析:メール・電話可/内科:電話のみ
  • ※内科は前日までの予約制です

コラム

仕事

透析しながら働くときに使える制度 障害者手帳・障害年金・両立支援

透析しながら働くときに使える制度 障害者手帳・障害年金・両立支援

透析が始まっても、これまで積み重ねてきた仕事を続けたい。そう願う一方で、週3回の通院と体調管理を抱えながら、収入や職場との関係をどう守ればよいのか、不安を感じている方は少なくありません。実は、透析を受けながら働く方を支える公的な制度や仕組みは複数あり、知っているかどうかで選択肢の広がり方が変わります。

この記事では、身体障害者手帳、障害年金、治療と仕事の両立支援という3つの柱を「何のための制度か」「どこに相談するか」という視点で整理し、相談前に準備しておきたいものをチェックリストにまとめます。まず、3つの柱をひとことで整理すると次のようになります。

制度・仕組み ひとことで言うと
身体障害者手帳 腎臓の働きの低下を「内部障害」として認定し、医療費や税、就労などの支援につなげる手帳
障害年金 病気により仕事や生活が制限されるときに受け取れる年金。働きながら受給している方もいます
治療と仕事の両立支援 通院を続けながら働けるよう、主治医の意見をもとに職場と勤務を調整する仕組み

透析をしながら働き続けている方は、珍しくありません

日本では約34万人、国民の380人に1人が透析を受けており、その中には仕事を続けながら通院している方が大勢います。透析が始まったからといって、働くことをあきらめる必要はありません。一方で、週3回、1回4〜5時間という治療時間は、勤務時間や体力の配分に確かに影響します。だからこそ、時間のやりくりと収入の備えを、制度の力も借りて整えていくことが大切です。

仕事との両立で直面しやすい課題は、おおきく「通院時間の確保」「医療費や収入の不安」「職場の理解」の3つに分かれます。通院時間は夜間帯の透析や勤務調整で、医療費や収入は手帳や年金などの公的制度で、職場の理解は両立支援の仕組みで、それぞれ支える方法があります。課題を分けて考えると、誰に何を相談すればよいかが見えやすくなります。

制度を知ることは「辞めない」という選択肢を増やすことです

公的な制度の多くは、自分から申請しなければ利用が始まりません。今は必要ないと感じる場合でも、どのような制度があり、どこに相談すればよいかを知っておくだけで、体調や働き方が変わったときに落ち着いて判断できます。退職を考える前に、使える仕組みを一度整理してみてください。

3つの制度の役割と相談先を、一枚の表で整理します

名前は聞いたことがあっても、それぞれの制度が何を支えるためのもので、どこに相談すればよいのかは混同しやすいところです。次の表で全体像をつかんでください。

制度・仕組み 何のための制度か どこに相談するか
身体障害者手帳 腎機能障害の認定を受けることで、医療費の助成、税の控除や減免、公共交通機関の割引、障害者雇用枠での就労など、生活と就労の支援につなげる お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口
障害年金 病気により仕事や日常生活が制限されるときに、生活を支える年金を受け取る。障害基礎年金と障害厚生年金がある 年金事務所、街角の年金相談センター(障害基礎年金は市区町村の年金窓口でも相談可能)
治療と仕事の両立支援 主治医の意見をもとに、勤務時間、業務内容、通院への配慮などを職場と調整し、治療を続けながら働ける環境を整える 勤務先の人事労務担当や産業医。社外では産業保健総合支援センターで無料相談が可能

身体障害者手帳:腎機能障害は外から見えない「内部障害」です

透析が必要になるほどの腎機能の低下は、身体障害者福祉法の「じん臓機能障害」として認定の対象になります。申請には指定医による診断書・意見書が必要で、等級は腎機能の状態などをもとに判定されます。手帳によって受けられる医療費助成や支援の内容は、等級、所得、お住まいの自治体によって異なるため、必ず市区町村の窓口で最新の情報を確認してください。

障害年金:初診日と保険料の納付状況が確認のカギになります

障害年金は、その病気で初めて医療機関を受診した日(初診日)にどの年金制度に加入していたかで、障害基礎年金か障害厚生年金かが決まります。受給には初診日や保険料納付の要件があり、認定は腎機能の状態や治療状況をもとに行われます。透析を受けている方は対象になる場合がありますが、等級や支給額は加入記録、所得、状態によって一人ひとり異なります。働きながら受給している方もいるため、辞める前に年金事務所へ相談してみることが大切です。

両立支援:主治医の意見書が職場との橋渡しになります

厚生労働省は、事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインを公表しており、主治医の意見をもとに勤務時間や業務内容を調整する流れが整理されています。透析の場合、通院曜日と時間帯の確保が調整の中心になります。会社に産業医や保健師がいない場合でも、各都道府県の産業保健総合支援センターで本人や会社が無料で相談できます。

相談前に準備しておきたいものチェックリスト

窓口での相談は、手元の資料がそろっているほど話が具体的に進みます。すべてを完璧にそろえる必要はありませんが、次のチェックリストを参考に、用意できるものから集めておくと安心です。

相談の前にそろえておきたいもの

  • 透析スケジュールが分かるメモ(曜日・開始と終了の時間帯)
  • お薬手帳や直近の検査結果など、治療状況が分かるもの
  • 初診日が分かる資料(最初に受診した医療機関名と時期のメモ、診察券、領収書など)
  • 基礎年金番号が分かるもの(年金手帳、基礎年金番号通知書など)
  • 健康保険証と、お持ちであれば特定疾病療養受療証
  • 勤務先の就業規則や休暇・時短制度が分かる資料
  • 職場にお願いしたい配慮のメモ(通院曜日、残業、体調が変わったときの対応など)

「初診日」が分かる資料は、早めに探しておくと安心です

障害年金の相談では、初診日の確認が出発点になります。腎臓病は長い経過をたどることが多く、初めて腎臓の異常を指摘された受診が何年も前にさかのぼる場合があります。当時の医療機関名や受診時期をメモにまとめ、診察券や領収書が残っていないかを早めに確認しておくと、手続きが進めやすくなります。思い出せない場合も、年金窓口で確認方法を相談できます。

制度の条件は一人ひとり異なります。窓口での確認を前提に進めましょう

ここまで紹介した制度は、いずれも等級、支給額、認定の基準が、所得、加入記録、腎機能の状態、自治体の運用によって変わります。この記事はあくまで全体像の整理であり、「自分の場合はどうか」という答えは、市区町村の窓口、年金事務所、勤務先などでの確認が前提になります。医療機関のソーシャルワーカー(医療相談員)に同行や書類の相談ができる場合もあるため、ひとりで抱え込まずに進めてください。

通院時間の工夫 当院は月〜土の8:15〜22:30まで透析を行っており、仕事帰りの夜間帯の透析も選べます。金曜には22:45から入室できるオーバーナイト透析(翌朝7:00前後までの約8時間)もあります。
通院の負担 通院が難しい方には無料送迎サービスをご用意しています。送迎エリアや時間帯は事前にご確認ください。
当院での相談先 主治医、看護師、受付スタッフへお声がけください。制度の概要や、勤務に合わせた透析時間の調整についてご相談いただけます。

仕事と透析の両立に迷ったら、当院へご相談ください

当院は「透析に合わせる生活ではなく、生活スタイルに合わせた透析を」という考えを大切にしています。制度の申請まで決めていなくても、「働き続けられるか不安」「通院時間を調整したい」という段階からのご相談で構いません。電話は03-5615-1566、ご予約・お問い合わせは https://www.tokyonext.jp/reservation をご確認ください。

よくある質問

  • 透析が始まったら、仕事は辞めなければいけませんか?

    いいえ。透析を続けながら働いている方は大勢います。夜間帯の透析や勤務調整、公的制度を組み合わせることで、両立の道を探せます。辞める判断の前に、職場や医療者へご相談ください。

  • 透析を受けていれば、身体障害者手帳は必ず取得できますか?

    認定は指定医の診断書をもとに、腎機能の状態などから判定されます。等級や受けられる支援は自治体や所得によっても異なるため、市区町村の障害福祉窓口で最新の条件をご確認ください。

  • 働いて収入があると、障害年金は受け取れませんか?

    働きながら受給している方もいます。ただし、受給の可否や金額は初診日の加入状況、保険料の納付状況、所得や状態によって異なります。年金事務所や街角の年金相談センターでご自身の条件を確認してください。

  • 会社に透析のことをどこまで伝えればよいですか?

    すべてを話す義務はありませんが、通院曜日や時間帯など配慮してほしい点は伝えたほうが調整しやすくなります。主治医の意見書を活用したり、人事労務担当や産業医、産業保健総合支援センターに相談したりする方法があります。

  • 制度の手続きが難しそうで不安です。誰に相談すればよいですか?

    手帳は市区町村の障害福祉窓口、年金は年金事務所、職場の調整は人事労務担当や産業医が窓口です。医療機関のソーシャルワーカーに相談できる場合もあります。当院でも、通院時間の調整や制度の概要について主治医や看護師、受付スタッフへご相談いただけます。

※制度の内容は変更される場合があります。当院でも相談時に制度の概要をお伝えしていますが、最新情報は自治体窓口や加入先へご確認ください。

予約・問い合わせページ